ありがたいことに「ヤンデレキャラに関して、中国オタク内ではどんな感じなんでしょうか」という質問をいただいておりますので今回はそれについてを。
中国オタク用語では「ヤンデレ」のことを「病嬌」と言うそうで、この概念に関しても随分と浸透しているよう。(ちなみにツンデレは「傲嬌」)
百度百科の病嬌のページ(中国語)によれば、中国オタク内で有名なヤンデレキャラは「未来日記」の我妻由乃、「SHUFFLE!」の芙蓉楓、「School Days」の桂言葉、「ひぐらしのなく頃に」の竜宮レナ、「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」の新垣あやせ、といった辺りのようです。この中でも特に「未来日記」の我妻由乃は中国オタクのヤンデレのイメージに大きな影響を与えたようで、ネタ画像として使われたり、コラ系の画像が貼られるのもよく見かけますね。
しかしそんな「ヤンデレ」ですが最近急速に広まったややマニアックな概念であることから、認識に関する混乱もあるようです。
先日、中国のネットを巡回していて「男のヤンデレキャラっているの?」「男のヤンデレキャラが少ない理由は?」といったことに関するやり取りを見かけましたので、今回はその辺についてを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。
ふと疑問に思ったんだが、男のヤンデレキャラっているの?よく見かけるのは女のヤンデレキャラについての話ばかりなんだけど……
そりゃいるだろ。この手の属性に関しては男女関係無く適用できるはずだし。
そうか、そうだよな。でも女のヤンデレキャラの方が男のヤンデレキャラより多いのはどういう理由だろう?自分が男性だから見るのが男性系の所に偏っているのを考慮しても明らかに女性のヤンデレキャラの方が多いように思うんだが。
私は正直男のヤンデレは存在しない、有り得ないと思っているんだが。
特定のキャラに対して過度の執着を見せる男性キャラとか、ヤンデレ的な存在は昔から結構いたような。
言われてみると男女に明らかな差があるね。男性の場合、ヤンデレが少ないのか別のカテゴリに入れられてしまうのか。とりあえず特定のキャラとの勝負にこだわるライバルキャラで、「あいつを倒すのは自分だ」だというのがツンデレ、「あいつを殺すのは俺でなければならない」で不気味な行動が加わればヤンデレっぽいような?
ふられた女につきまとってくる、しまいには暴力や監禁などの危害を加えるとかは普通にヤンデレの範囲になるんじゃないか?
「NARUTO」のサスケとか、ヤンデレっぽい所があるような気がする。
BLだとわりとヤンデレ男性キャラいるらしいぞ。「ヤンデレ天国」なんて作品もあるそうだから、男のヤンデレキャラのジャンルは確実に存在すると思われる。
女性相手に男性がヤンデレ行為をやるとシャレにならんから、あんまり表に出せない作品になって結果的に埋もれているんじゃないかと。
確かに一般アニメ作品だと男のヤンデレ行為が加速するとネタにできなくなるかも。ただ、テレビドラマなんかだと障害として出てくる男のヤンデレは珍しくないんじゃないか?私は男のヤンデレは「二次元だと少ない属性」という説を推そう。
男がヤンデレになったら、変態、犯罪者、人間のクズとかになっちゃうじゃないか。いや女でも現実にいたらヤバイ属性なのは間違いないんだが、男は二次元でも美形でもヤバイ。
二次元でもまずいのに、三次元でやったらしゃれにならんよな。束縛の強いキャラってだけでもわりと好みが分かれるのに……
女性キャラのヤンデレの行為を男性キャラにやらせてみると、ヒドイ暴力キャラになったりクズのキャラになったりするな。これは確かに見せ方をきちんと工夫するかしないとダメかもしれん。
ふむ……では「男の娘」のヤンデレキャラというのはどうかね?私はこのタイプならいける。
それは反則だろ!とりあえず三次元だとホラー系の作品とかでもヤンデレキャラと見做すことのできる男性は出るぞ。人気が出るかは別として、そういったキャラの歪んだ愛による行動は十分にヤンデレに感じられる。アニメだとちょっとすぐには思いつかないが……
「Fate/Zero」の間桐雁夜はどう?私は彼がヤンデレだと思うんだけど。
間桐雁夜はヤンデレ的な行動はあるけど、遠坂葵に対する感情や作中での一連の行動を見ると思い込みによる暴走であってヤンデレとは微妙に違うような気もする。なんか上手く言えなくてスマン。
私はヤンデレは病的な執着心とある種の依存心ってのが特徴だと思っている。とりあえずゲームでは「BLAZBLUE」のジン・キサラギとかは間違いなくヤンデレキャラだと思う。ただ男性間でのヤンデレになってしまうな……敵対する相手がヤンデレというか、執着心持ちってのは探せわりとありそう。
うーむ……一般向けのアニメで、男性でヤンデレ……私が思いついたのは「コードギアス」のロロくらいだわ。
やはり、男性キャラだとヤンデレがどうのこうの以前に、悪い意味での「変態キャラ」にカテゴライズされてしまうような気がするなぁ。
ところで、鬼畜とヤンデレは違うの?
それ一緒にしたらその属性が好きな人間に怒られるなんてもんじゃないと思うぞ……鬼畜とヤンデレは別属性だ。もちろん鬼畜でヤンデレというキャラも成立するが。
女性向けの作品だと普通に男性のヤンデレも出るよ。もちろん一般作でも。最近の作品で比較的有名なのだと「AMNESIA」はヤンデレがいる。そしてヤンデレによる死亡フラグが乱立している。
そういや「AMNESIA」は男のヤンデレ作品だったね。ヒロインへの行動やら善意で暴走する所なんかはまさにヤンデレ。原作ゲームもすごいよ。
ツンデレもそうだったけど、ヤンデレは「病嬌」という漢字のイメージに引っ張られている気がする。ちゃんと男女両方に適用できる属性だというのに。
イロイロと考えては見たが、やはり現実との関係が大きいと思う。現実にはそういった病的な男性によるショッキングな事件も多いし、現実に引き戻されてしまう。男のヤンデレキャラはむしろ実写向きの題材なんじゃないかな。ただそうなると萌えネタにして盛り上がるのはちょっと難度が上がる。
あくまでイメージの話ではあるが、やはり男のヤンデレはシャレにならないということなんだろうな。ファンタジーであっても現実と妙にリンクしてしまうし。男のヤンデレはリアルに怖いと感じるって所か。
そうだね。男性のヤンデレキャラもいないわけじゃないけど、女性のヤンデレキャラに比べて表に出し難い部類のキャラになるって所なんじゃないかな?
女のヤンデレがナイフやナタを持つのを男性に置き換えてみると、別ジャンルの作品になりかねんよな。妄想や萌えのネタにするにしても現実とのイメージのつながりはある訳だし、こういった制限のある属性って他にもありそうだね。
とまぁ、こんな感じで。中国オタク内でもイロイロと考察が出ていて面白かったです。
こういったイメージに関しては、ヤンデレに関する認識が中国オタク内で広まるきっかけとなったキャラが主に女性キャラだというのに加えて、上のコメントにもあるように、「病嬌」という漢字から受けるイメージが影響しているのもありそうです。
ただ「傲嬌」(ツンデレ)の概念が広まっていった当初よりも、随分と日本の感覚に近い形で認識されてはいるようです。少なくともツンデレに関するこの辺の記事
ツンデレという言葉の使い方に悩む中国オタク
中国オタク「ベジータが日本の代表的ツンデレキャラ……だと……?」
を書いた数年前の時とは段違いですね。ちなみに男性のツンデレキャラに関してはもう中国オタク内でもほぼ問題無く認識されているそうです。
とりあえず、こんな所で。例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。
▼感想▼
男性病嬌角色絕大多數還是出現在女性向作品中居多。近年來的病嬌作品也越來越多,像是《監禁男子》系列、《愛されすぎて××されちゃうCD》系列。
男性病嬌角色為什麼很難萌,我個人認為主要是性別的觀點不同,女性注重心靈,男性則是注重肉體。男性絕大多數都是下半身思考的,所以如果做出病嬌行為的話,通常會被當成噁心變態、犯罪者。當事人的感受也很重要,被女性倒追的男性與被男性倒追的女性,感受分別是不同的,男性方面會認為對方是真心喜歡自己,但女性方面則會認為對方是看上自己的肉體。
還有一點不成文的規定:「※ただしイケメンに限る(※只限於型男)」。同樣都是跟蹤狂,但是在外貌上給人的觀感就是有差,哪個比較為人所接受,大家都心知肚明。
中国オタク「男のヤンデレキャラっているの?」